バールベックの街のレストラン屋上から見た神殿群。ジュピター神殿(右)とバッカス神殿(左)。背景にはレバノン山脈。ベカー高原にあるバールベックは,フェニキア人が主神バールを祀ったのが起源と考えられている。ヘレニズム・ローマ時代には,「太陽の町」を意味するヘリオポリスというギリシア風の名で呼ばれた。紀元前1世紀にローマ植民都市となり,ローマ時代を通じて神殿群の建築が続けられた。ジュピター神殿は,間口48m,奥行き87mもある壮大なものであり,南辺に残された6本の列柱がその偉容を物語る。

Photographed by Noboru Ogata (2011)