カラホト(黒城)の都市遺跡。

もし霧に煙った天気だったなら,カラホトを現存の町と見間違えたことだろう。近づいて,どっしりした城壁がその上までなめらかな砂丘に覆われているのを見て,はじめて廃墟だと気づくのだ。それはえもいわれぬ美しい光景だった。城壁は紅色に染まり,雲の合間から差し込む日の光は砂丘を黄金色に照らし,こうした色合いはかいま見える青空と絶妙なコントラストを見せていた‥‥(スウェーデンの考古学者フォルケ・ベリマンによる1931年1月の記録より)
― Bo Sommarstrom (1958) Archaeological Researches in the Edsen-gol Region Inner Mongolia, Part II, p. 189.

Photographed by Noboru Ogata (2007)